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ウジェーヌ・アッジェ(Eugene Atget)が気になる
フランスの写真家。1856年生まれだが、写真を撮り始めたのは1898年ごろというから40歳を過ぎてから、ということになる。パリの街並みを収めた写真群は、晩年も近くなった1920年代半ば、アメリカの写真家マン・レイやその弟子ベレニス・アボットによってようやくその価値を認められたという。1927年に死去。(参照:MSN エンカルタ)
アッジェが気になりだしたきっかけは、5月に入って放送されたテレビ東京「美の巨人たち」でした。内容についてウェブサイトから一部引用すると、
19世紀末のパリは、エッフェル塔の建設、地下鉄開通と風景が変わりつつありました。アッジェは、それら一切に背を向けて、時代遅れの重い暗箱カメラを背負ってパリの風景や花、歴史的建造物など「変わらないパリ」を撮り続けました。約30年で撮った写真は、1万点にのぼります。アッジェの撮ったもの、撮らなかったものとは?そこには1人の写真家の強固な意志が感じられます。
というもの。可能な限り人の姿を排して銀版に定着させた当時のパリは、撮影者の意思と、確かな構図によって強い印象を残すものでした。その後、昨日の日経新聞文化面にも「セーヌ川 十選」と題したセレクションにアッジェの写真が取り上げられていて、これは一度、きちんと見てみる必要があるのではないかと思い始めているところです。
以前、写真業界誌の編集記者をしていたこともあるため、実はたいていの人よりも写真関係の知識はあるつもりでいます。しかし、在職中は撮影一般の知識や業界地図、土門拳/木村伊兵衛以降の日本の写真家について学ぶだけで手一杯で、海外の写真家についてはブレッソンやキャパ程度にとどまっていたのも事実です。これを機会に、彼の膨大な写真を少しずつ見てゆきたいと考えています。
こちらのサイトに32点のポートフォリオが公開されていました(このエントリー中の写真もそちらから拝借したもの)。アッジェの写真に興味を持たれた方はご覧になってはいかがでしょうか。
前述のMSN エンカルタによれば、アッジェの写真の大半は現在、ニューヨーク近代美術館のアボット=レビー・コレクションに収蔵されているとのこと。いつか訪れる機会があれば、と思います。またこれまで、パリやフランスにはほとんど惹かれることはなかったのですが、彼の写真を見てから、少し興味を持ち出しています。
#アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展が6月19日〜8月12日まで東京国立近代美術館で開催されるとのこと。こちらも楽しみです。
投稿者 kuroyagi : 2007年05月19日 09:04