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アッジェ(Eugène Atget)の写真集

先日のエントリーで書いたとおり、ウジェーヌ・アッジェ(Eugene Atget)が気になっている訳ですが、まずは、ということでさほど高価ではない写真集を1冊購入してみました。Aperture という出版社から発行されている「Masters of Photography 」というシリーズのうちの1点、「Eugene Atget」。

Eugène Atget

英文の解説がついていますが、そちらはまだ読み込んでいません。ざっと写真とアッジェの略歴のみ眺めた状態での感想を順不同で。

  • 構図の取り方だとか、やはりレベル高いですね。勉強になります。同時に、彼の「視点」「視座」にはなぜか共感するものがあります。
  • 当時の写真機材の限界なのか、階調の再現については厳しい状態のものも含まれています(写真集の印刷の不備でなければ)。「美の巨人たち」では、アッジェが早朝のパリの街を撮影して回ったと説明されていましたが、人影を排除するとともに、日中(にっちゅう)の光のコンディションでは落ちてしまうディテールを定着させる狙いがあったのではないかと。
  • 人を被写体とした写真も、かなりの点数が残されているのですね。上掲の写真は日食を眺める人たちを収めたものですが、そういえば見覚えがあります。この写真集の中では他に、オルガン弾きと歌い手(23ページ)、売春婦(65ページ)なども印象に残ります

ということで、アッジェについてはもう少し追いかけてみようかと。Amazon を見ていると1万円前後の高価な、しかしとてもよさそうな写真集があるようですが、少し悩むことになるかもしれません。最近、書店に足を運ぶことが少なくなっていますが、こういうときこそ本屋さんの店頭で実物を見ながら思案するのもよいような。


Eugene Atget (Masters of Photography Series)
Eugene Atget Ben Lifson
Aperture (1997/09)
売り上げランキング: 2323

【注記】
アッジェの表記は「Eugène Atget」(4文字目のe に装飾記号が付く)ですが、文字コードの関係もあって英語のページでは「Eugene Atget」の表記を多く見かけます。同様にこのブログではカタカナ表記を「ウジェーヌ・アッジェ」としていますが、「ウジェーヌ・アジェ」の記述の方が世間的には多いようです。

投稿者 kuroyagi : 2007年06月24日 11:09