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毎年11月9日は休みます。
我が家の三大記念日のひとつ、結婚記念日がやってきましたので、休暇をいただいて二人で都内を歩いてきました。ヨメが好きな作家である池波正太郎ゆかりのあれこれを訪ねる一日となりました。
天ぷら 山の上
「山の上ホテル」というと作家がカンヅメになるところ、というイメージがありますが、池波氏の随筆や日記等を読むと、彼もよく山の上ホテルにこもって仕事に集中しつつ、合間には優雅な食事を楽しんだようです。その中でもよく登場するのが「天ぷら 山の上」。ということで、以前からふたりで「行きたいね」と話していて、今回、平日に休みがとれたので思い切って予約してみました。
「てんぷら屋に行くときは腹をすかしていって、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べていかなきゃ、てんぷら屋のおやじは喜ばないんだよ」
とはエッセイ集「男の作法」で池波氏が天ぷらについて語った一節。多少、写真をとったりはしましたが、天ぷらがどれも美味しかったため、目の前においてぺちゃくちゃしゃべったり、ということにはわれわれ夫婦にはそもそも難しいことでした。エビの足や「むかご」(山芋のツルに付く小さな球芽)が出てきたりと、意外な食材にも驚かされました。器に気を使っている点も、よい気分にさせてくれる大事なポイントですね。
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池波正太郎記念文庫
つづいて台東区立中央図書館の中にある「池波正太郎記念文庫」へ足を伸ばしました。最寄り駅は東京メトロ日比谷線の「入谷」。図書館内の一角に年譜や遺愛品、自筆画や「鬼平犯科帳」「剣客商売」「必殺仕掛人・藤枝梅安」などの代表作が展示されています。書斎が復元されており、灰皿の横に置かれたマッチは「天ぷら 山の上」のものでした。
そして、神田のそば屋「まつや」から出てくる池波氏の写真を見た瞬間、夜の店が決まりました。
かっぱ橋道具街
池波正太郎記念文庫は、料理のプロ向けの問屋街として有名なかっぱ橋道具街の入り口に位置しています。プロユースの道具が一堂に会していて眺めるだけでも楽しい、と話には聞いていたものの、まだ訪れたことがなかったので、この機会にぶらぶらと見て回りました。確かにすごい。外国人の姿も多くみかけましたが、食器やのれんなど、なるほどお土産にも適しているわけですね。
クッキーの型抜き
浅草、神田・須田町「まつや」
道具街を抜け、浅草へ向かいました。こちらはさらに外国人観光客が多いなあ、という印象でしたが、江戸っぽいグッズを売る店々では、早くも新年の干支に関するグッズが展示の中心に置かれはじめていました。もうそんな季節なんですね。
十二支を一度に飾れてお得?
お参りをして、おみくじを引き(吉でした。ヨメは……書かないでおきます)、地下鉄銀座線に乗って神田へ向かいました。夕食は須田町のそば屋「まつや」。近くには有名店「薮」もありますが、池波正太郎がよく通ったのはこの「まつや」なのだそうです。前を通ったことはありましたが、ふつうのまっとうなそば屋によくあるとおり、20時には店を閉めてしまうので、食べに入れないでいました。
金曜の夜ということで、店内はいっぱいの人。にしんの棒煮、ゆばわさび、そばがきでゆっくり飲んで、もりそばでしめて帰ってきました。ヨメの頼んだごまそばも味見をさせてもらいましたが、これもなかなか。良心的な値段もさりながら、そばの味がけっこう好みに近く、また機会があればぜひ来たい店のリストに入りました。(喫煙可なので、相席で座った方がタバコを吸ったら残念なことになりそうで、それだけが懸念されますが……)
ということで、池波正太郎の足跡(の一部)をたどる休日はひとまず終わりとなりました。機会があればまた、あれこれとまわってみたいものです。そのためにはお互いが健康で、仲良くしていなければいけませんね。ひきつづきよろしくです。
*この日の写真をFlickr にアップしましたので興味ある方はどうぞ。
*ちなみに、過去の結婚記念日のログはこちら。
- 2005年:東証に行ってきました
- 2006年:結婚記念日とか
投稿者 kuroyagi : 2007年11月10日 19:20